第三種冷凍機械責任者「冷凍の原理・サイクル・性能」の練習問題(11問)

第三種冷凍機械責任者の「冷凍の原理・サイクル・性能」(保安管理技術)から11問を収録しています。答えの下に解説があるので、間違えた理由をその場で確認できます。

過去の試験問題の転載や言い換えではなく、試験科目と法令・技術の内容から当サイトが独自に作成した問題です。

冷凍の原理・サイクル・性能では何が問われる?

冷凍効果・圧縮仕事・成績係数を、p-h線図の比エンタルピー差で説明できるかが中心。蒸発温度や凝縮温度を変えたときに、成績係数や吐出しガス温度がどちらへ動くかも問われる。

冷凍の原理・サイクル・性能で間違えやすいのはどこ?

冷凍効果はh1−h4(蒸発器の出口と入口の差)で、凝縮器の放熱h2−h3と取り違えやすい。ヒートポンプの理論成績係数は冷凍より1大きい。熱伝導率はW/(m·K)、熱伝達率と熱通過率はW/(m²·K)。圧縮比は絶対圧力で計算する。

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冷凍の原理・サイクル・性能をくわしく知るには?

顕熱と潜熱、熱の伝わり方、冷凍サイクルの4工程とp-h線図の読み方、冷凍効果・冷凍能力・成績係数の関係を、数値の例題つきでまとめます。

冷凍の原理・冷凍サイクル・成績係数を読む

  1. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍の原理と冷凍トンについて正しいものはどれか。 イ 顕熱は物質の状態変化に使われる熱で、加えても物質の温度は上がらない。 ロ 物質の温度を変えずに状態だけを変えるときに出入りする熱を潜熱といい、蒸発器では主に冷媒の蒸発潜熱で被冷却物から熱を奪う。 ハ 1日本冷凍トンは、0℃の水1トンを24時間で0℃の氷にするときに取り去る熱量を基にした単位で、およそ3.86kWに当たる。 ニ 1米国冷凍トンは1日本冷凍トンより大きく、およそ4.2kWである。

    • ロ、ハ正解
    • ロ、ニ
    • ハ、ニ
    • イ、ロ、ハ
    • ロ、ハ、ニ
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    正しいのはロ、ハです。イは誤り。顕熱は温度の変化に使われる熱です。温度を変えずに状態変化に使われるのは潜熱です。ロは正しい。液の冷媒が蒸発するときに温度を変えずに多くの熱を吸い込むことが、冷凍の原理です。ハは正しい。日本冷凍空調学会の用語解説でも、1日本冷凍トンは約3.86kWとされています。ニは誤り。1米国冷凍トンはおよそ3.52kWで、日本冷凍トン(約3.86kW)より小さい単位です。

  2. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、熱の伝わり方について正しいものはどれか。 イ 流体と固体壁の表面との間の熱の移動を熱伝達といい、流体の流速が大きいほど熱伝達率は一般に大きくなる。 ロ 熱伝導率の単位はW/(m²·K)で、値が大きい材料ほど熱を通しにくい。 ハ 熱交換器の伝熱量は、熱通過率と伝熱面積に比例し、両側の流体の平均温度差には関係しない。 ニ 固体の平らな壁を通る熱伝導の熱流量は、壁の両面の温度差と伝熱面積に比例し、壁の厚さに反比例する。

    • イ、ロ
    • イ、ハ
    • イ、ニ正解
    • イ、ロ、ニ
    • イ、ハ、ニ
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    正しいのはイ、ニです。イは正しい。流速が大きいと壁の表面の流体の層が薄くなり、熱が移りやすくなります。ロは誤り。熱伝導率の単位はW/(m·K)で、値が大きいほど熱をよく通します。W/(m²·K)は熱伝達率や熱通過率の単位です。ハは誤り。伝熱量は熱通過率×伝熱面積×平均温度差で表され、平均温度差にも比例します。ニは正しい。熱伝導の熱流量は、熱伝導率×面積×温度差÷厚さで表されます。

  3. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、熱通過率と伝熱面の汚れについて正しいものはどれか。 イ 空気冷却器に霜が厚く付くと、霜は熱を通しにくいため熱通過率が小さくなり、蒸発圧力が下がる。 ロ 冷却管の表面に油膜ができると、油は熱を通しにくいため熱通過率が小さくなる。 ハ 熱通過率の逆数は、壁の両側の熱伝達抵抗と壁の熱伝導抵抗の和で表される。 ニ 水あかは金属よりも熱をよく通すので、水冷凝縮器の冷却管に付着しても凝縮圧力には影響しない。

    • イ、ロ
    • イ、ハ
    • ロ、ハ
    • イ、ロ、ハ正解
    • イ、ハ、ニ
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    正しいのはイ、ロ、ハです。イは正しい。伝熱が悪くなると冷媒が熱を受け取りにくくなり、蒸発温度と蒸発圧力が下がります。ロは正しい。油膜は熱伝導率が小さい層で、熱の通り道に抵抗を1枚加えることになります。ハは正しい。1/K=1/α1+δ/λ+1/α2 の形で、熱の通りにくさ(抵抗)を直列に足し合わせます。ニは誤り。水あかは熱を通しにくく、付着すると熱通過率が下がって凝縮温度と凝縮圧力が上がります。

  4. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍サイクルの4工程について正しいものはどれか。 イ 凝縮器では、冷媒蒸気が冷却水や空気に熱を放出して凝縮し、液になる。 ロ 蒸発器では、冷媒は周囲から熱を奪って凝縮し、圧力が上がる。 ハ 膨張弁では冷媒液が絞り膨張して圧力と温度が下がり、外部と熱や仕事のやり取りがないので比エンタルピーは変わらない。 ニ 圧縮機は、蒸発器から出た低圧の冷媒蒸気を吸い込み、圧縮して高温・高圧の蒸気にする。

    • イ、ハ
    • イ、ニ
    • ハ、ニ
    • イ、ロ、ニ
    • イ、ハ、ニ正解
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    正しいのはイ、ハ、ニです。イは正しい。凝縮器は蒸発器と圧縮機で受け取った熱を外へ捨てる熱交換器です。ロは誤り。蒸発器では冷媒は周囲から熱を奪って蒸発します。圧力はほぼ一定の低圧のままです。ハは正しい。絞り膨張は比エンタルピー一定の変化で、p-h線図では縦の直線になります。ニは正しい。圧縮機は低圧側と高圧側の境目で、動力を受けて冷媒の圧力と温度を上げます。

  5. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、p-h線図について正しいものはどれか。 イ 飽和液線と乾き飽和蒸気線にはさまれた領域は、過熱蒸気の領域である。 ロ p-h線図は、縦軸に圧力を対数目盛でとり、横軸に比エンタルピーをとった線図である。 ハ 理論冷凍サイクルの圧縮過程は、比エンタルピー一定の変化として表される。 ニ 理論冷凍サイクルの膨張過程は、p-h線図上では比エンタルピー一定の縦の直線で表される。

    • ロ、ハ
    • ロ、ニ正解
    • ハ、ニ
    • イ、ロ、ニ
    • ロ、ハ、ニ
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    正しいのはロ、ニです。イは誤り。2本の線にはさまれた領域は液と蒸気が混ざった湿り蒸気の領域です。過熱蒸気は乾き飽和蒸気線より右側です。ロは正しい。モリエ線図とも呼ばれ、冷凍サイクルの熱量を横方向の長さで読み取れます。ハは誤り。理論冷凍サイクルの圧縮は断熱圧縮で、比エントロピー一定の線に沿って進みます。比エンタルピーは増えます。ニは正しい。膨張弁の前後で比エンタルピーが変わらないため、点3から点4へ真下に下ります。

  6. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍効果・冷凍能力・成績係数について正しいものはどれか。 イ 冷凍能力は、冷凍効果に冷媒循環量(kg/s)を掛けたものである。 ロ 理論冷凍サイクルの成績係数は、冷凍効果を理論圧縮仕事(圧縮機出口と入口の比エンタルピー差)で割った値である。 ハ 冷凍能力が同じなら、圧縮機の軸動力が大きい装置ほど成績係数は大きい。 ニ 冷凍効果は、冷媒1kgが凝縮器で放出する熱量である。

    • イ、ロ正解
    • イ、ニ
    • ロ、ハ
    • イ、ロ、ハ
    • イ、ロ、ニ
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    正しいのはイ、ロです。イは正しい。kJ/kgの冷凍効果にkg/sの循環量を掛けるとkJ/s、すなわちkWになります。ロは正しい。(h1−h4)÷(h2−h1)で求め、値が大きいほど少ない動力で冷やせます。ハは誤り。成績係数は冷凍能力÷動力なので、冷凍能力が同じなら動力が大きいほど成績係数は小さくなります。ニは誤り。冷凍効果は冷媒1kgが蒸発器で取り入れる熱量で、蒸発器出口と入口の比エンタルピー差(h1−h4)です。

  7. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、蒸発温度・凝縮温度と性能について正しいものはどれか。 イ 蒸発温度が一定のまま凝縮温度を上げると、冷凍効果が大きくなるので成績係数は大きくなる。 ロ 蒸発温度を下げると、圧縮機が吸い込む蒸気の比体積が大きくなり、冷媒循環量は減る。 ハ 蒸発温度と凝縮温度の差が大きくなるほど、圧縮機の吐出しガス温度は高くなる。 ニ 凝縮温度が一定のまま蒸発温度を下げると、圧縮比が大きくなり、成績係数は小さくなる。

    • ロ、ハ
    • ロ、ニ
    • ハ、ニ
    • イ、ハ、ニ
    • ロ、ハ、ニ正解
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    正しいのはロ、ハ、ニです。イは誤り。凝縮温度を上げると膨張弁入口の比エンタルピーが大きくなって冷凍効果は減り、圧縮仕事は増えるので成績係数は小さくなります。ロは正しい。同じ体積を吸い込んでも質量が少なくなるため、冷凍能力も下がります。ハは正しい。圧縮比が大きくなるほど圧縮の終わりの温度が上がります。ニは正しい。圧縮仕事が増えて冷凍効果は減るので、成績係数は下がります。

  8. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、過冷却度と過熱度について正しいものはどれか。 イ 過冷却度とは、凝縮圧力に対する飽和温度と、凝縮器出口の冷媒液の温度との差である。 ロ 圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が大きいほど、吐出しガス温度は低くなる。 ハ 凝縮器出口の冷媒液の過冷却度を大きくすると、膨張弁入口の比エンタルピーが小さくなり、冷凍効果は大きくなる。 ニ 過熱度とは、蒸発器出口の冷媒蒸気の温度から、蒸発圧力に対する飽和温度を引いた差である。

    • イ、ハ
    • イ、ニ
    • ハ、ニ
    • イ、ハ、ニ正解
    • ロ、ハ、ニ
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    正しいのはイ、ハ、ニです。イは正しい。液が飽和温度より何度低く冷やされているかを表します。ロは誤り。吸い込む蒸気の温度が高いと、圧縮の終わりの温度も高くなります。過熱度が大きいほど吐出しガス温度は上がります。ハは正しい。点3と点4が左へ移り、h1−h4が長くなります。ニは正しい。温度自動膨張弁は、この過熱度がほぼ一定になるように冷媒の流量を調節します。

  9. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、ヒートポンプについて正しいものはどれか。 イ 同じ理論サイクルでは、ヒートポンプとしての成績係数は、冷凍装置としての成績係数より1だけ小さい。 ロ 理論冷凍サイクルでは、凝縮器で放出する熱量は、蒸発器で取り入れる熱量と理論圧縮仕事の和に等しい。 ハ ヒートポンプの成績係数は、暖房などに利用する熱量を圧縮機の動力で割った値で表される。 ニ ヒートポンプは、凝縮器で放出する熱を暖房や給湯に利用する装置である。

    • ロ、ハ
    • ロ、ニ
    • ハ、ニ
    • イ、ロ、ニ
    • ロ、ハ、ニ正解
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    正しいのはロ、ハ、ニです。イは誤り。理論サイクルでは、暖房に使う熱は冷凍効果に圧縮仕事を足したものなので、ヒートポンプの成績係数は冷凍より1だけ大きくなります。ロは正しい。h2−h3=(h1−h4)+(h2−h1)で、エネルギーの出入りが釣り合っています。ハは正しい。冷凍の成績係数と同じく、得られる熱量÷かけた動力で表します。ニは正しい。冷凍装置と同じサイクルで、使う側を凝縮器にしたものです。

  10. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、実際の圧縮機の効率について正しいものはどれか。 イ 機械効率は、実際に冷媒の圧縮に要した動力を軸動力で割った値である。 ロ 実際の冷凍装置の成績係数は、同じ条件の理論冷凍サイクルの成績係数より大きくなる。 ハ 実際の圧縮機では、断熱効率と機械効率があるため、軸動力は理論断熱圧縮動力より大きくなる。 ニ 断熱効率が小さくなるほど、実際の吐出しガスの比エンタルピーは理論値に近づく。

    • イ、ロ
    • イ、ハ正解
    • ロ、ハ
    • イ、ロ、ハ
    • イ、ハ、ニ
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    正しいのはイ、ハです。イは正しい。軸受やピストンの摩擦などで失われる分が機械効率に表れます。ロは誤り。実際には効率の分だけ動力が増えるので、実際の成績係数は理論値より小さくなります。ハは正しい。軸動力=理論断熱圧縮動力÷(断熱効率×機械効率)で、効率は1より小さいからです。ニは誤り。断熱効率が小さいほど冷媒に加わる仕事が理論より大きくなり、吐出しガスの比エンタルピーと温度は理論値より高くなります。

  11. 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、体積効率と冷媒循環量について正しいものはどれか。 イ 往復圧縮機のすきま容積が大きいほど、体積効率は小さくなる。 ロ 冷媒循環量は、ピストン押しのけ量と体積効率の積を、吸込み蒸気の比体積で割って求められる。 ハ 体積効率は、ピストン押しのけ量を実際の吸込み蒸気量で割った値で、1より大きい。 ニ 圧縮比は、吐出し側と吸込み側のゲージ圧力の比で計算する。

    • イ、ロ正解
    • イ、ロ、ハ
    • イ、ロ、ニ
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    正しいのはイ、ロです。イは正しい。すきまに残った高圧のガスが再膨張する間は、新しい蒸気を吸い込めないためです。ロは正しい。体積(m³/s)を比体積(m³/kg)で割ると質量流量(kg/s)になります。ハは誤り。体積効率は実際の吸込み蒸気量をピストン押しのけ量で割った値で、1より小さくなります。ニは誤り。圧縮比は絶対圧力の比で計算します。ゲージ圧力のまま割ると、吸込み圧力が低いときほど値が大きく狂います。

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