冷凍機械責任者の試験科目・出題範囲

第三種冷凍機械責任者は法令20問、保安管理技術15問の全35問で、各科目60%以上が合格の条件です。

高圧ガス保安協会が公表している出題範囲は、受験案内書の短い記述だけです。法令は「高圧ガス保安法令に係る法令」(2026年度は2026年4月1日現在施行の法令)、第三種の保安管理技術は「冷凍のための高圧ガスの製造に必要な初歩的な保安管理の技術」。下の分野と問数の目安は、2025年度の問題を当サイトが問題番号ごとに分類した結果で、年度によってずれることがあります。★の優先度は当サイト独自の判断です。

★の学習優先度は当サイト独自の分析です。科目名と項目は公表内容に基づく事実です。

第三種冷凍機械責任者では何が出る?

1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設で、冷凍保安責任者に選任されることができる都道府県知事の免状です(冷凍保安規則第38条)。試験は法令20問と保安管理技術15問の2科目で、どちらも満点の60%が合格基準点です。

法令は数字を問う出題が多く、2025年度は20問中11問に数字が入っていました(当サイトの集計)。保安管理技術は冷凍サイクルの理解が土台です。2025年度に計算問題は出ていませんが、成績係数や熱通過率の増減の関係を記述の正誤で問われます。講習の検定に合格すれば保安管理技術が免除され、法令だけの受験になります。

法令(20問・60分)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
高圧ガスの定義と法の適用
  • 法の目的
  • 高圧ガスの定義(圧縮ガス1MPa・液化ガス0.2MPa、35℃の基準、ゲージ圧力)
  • 適用除外(冷凍能力3トン未満、第一種ガスは5トン未満)
  • 法令の階層(法・施行令・冷凍保安規則・容器保安規則)

約2問。覚える数字が少なく、定義を一度整理すれば得点しやすい。後の分野の前提になるので最初に読む。

★★☆
製造の区分と冷凍能力
  • 第一種製造者(許可)と第二種製造者(届出)
  • 冷媒の種類ごとのトン数の境目(3・5・20・50トン)
  • 冷凍能力の算定(R=V÷C、遠心式1.2kW、吸収式27,800kJ)
  • 認定指定設備との関係

約2〜3問。保安体制や検査の問題も、このトン数の区分を前提に書かれている。冷媒によって境目が変わる点が混同しやすい。

★★★
貯蔵・移動・容器
  • 容器置場と充塡容器の扱い(40℃以下、周囲2m以内の火気禁止)
  • 車両で移動するときの基準(警戒標、保護具、消火設備)
  • 容器の刻印(V・W・TP・FP)と表示(塗色、「燃」「毒」)

約3問出るが、冷凍設備の実務から離れた内容で、一般高圧ガス保安規則と容器保安規則にまたがる。数字は40℃・2m・5Lなど少数。

★★☆
保安体制と日常の義務
  • 冷凍保安責任者と代理者(100・300トンの区分、1年以上の経験、届出)
  • 保安教育(第一種製造者は計画、第二種製造者は実施)
  • 危害予防規程
  • 帳簿(10年保存)
  • 危険時の措置と事故届

約3〜4問。第一種製造者と第二種製造者で義務が違い、その対比が誤りの記述に使われる。第三種の免状で就く職務そのものでもある。

★★★
検査と手続
  • 保安検査(3年に1回、申請は2年11か月以内)
  • 定期自主検査(1年に1回以上、耐圧試験は除く、冷凍保安責任者の監督)
  • 完成検査
  • 変更の工事(許可・届出・軽微な変更)
  • 製造の開始・廃止の届出、事業の承継

約4問。期限と周期(20日前・遅滞なく・3年・1年)を入れ替えた記述が多い。

★★★
技術上の基準
  • 定置式製造設備の基準(警戒標、滞留しない構造、漏えい検知警報、除害)
  • 気密試験と耐圧試験の圧力(許容圧力以上、1.5倍・1.25倍)
  • 安全装置と放出管、圧力計、液面計
  • 耐震設計(凝縮器5m、受液器5,000L)
  • 製造の方法(安全弁の止め弁は常に全開、修理時の措置)

約5〜6問と法令で最も多い。保安管理技術の安全装置・試験の分野と内容が重なり、両科目の得点につながる。

★★★

保安管理技術(15問・90分)

科目・分野 主な項目 優先度(独自)
冷凍の原理・サイクル・性能
  • 顕熱と潜熱、冷凍トン(1日本冷凍トン=3.86kW)
  • 伝熱(熱伝導・熱伝達・熱通過)
  • 冷凍サイクルとp-h線図
  • 冷凍効果・圧縮仕事・成績係数、ヒートポンプとの関係
  • 体積効率・断熱効率・機械効率

約3問で、機器の分野を読むときの土台になる。p-h線図で冷凍効果と圧縮仕事を読めるようにしてから先に進む。

★★★
冷媒・ブライン・冷凍機油
  • 冷媒の種類と性質(アンモニア、フルオロカーボン、二酸化炭素)
  • 特定不活性ガス(R32など)
  • 共沸・非共沸混合冷媒、地球温暖化係数
  • ブライン
  • 冷凍機油と冷媒の溶け合い、水分の影響

約1問だが、法令の冷媒の区分(可燃性・毒性・不活性)と共通する知識が多い。

★★☆
圧縮機
  • 往復式・ロータリー式・スクロール式・スクリュー式・遠心式
  • 開放形と密閉形
  • 容量制御
  • ピストン押しのけ量と体積効率

約1問。方式ごとの特徴を表で整理すれば足りる。

★☆☆
凝縮器・冷却塔・蒸発器
  • 空冷・水冷・蒸発式凝縮器
  • 冷却塔
  • 不凝縮ガスの影響
  • 乾式・満液式蒸発器
  • 除霜(ホットガス・散水・電気ヒータ)

約2問。熱通過の式(熱通過率×伝熱面積×温度差)で、汚れや不凝縮ガスの影響を説明できるかが問われる。

★★☆
自動制御機器・附属機器・冷媒配管
  • 温度自動膨張弁(感温筒と過熱度)
  • 電磁弁・圧力スイッチ・圧力調整弁
  • 受液器・油分離器・液分離器・ドライヤ
  • 冷媒配管の材料と施工(吸込み管の勾配、液管のフラッシュガス)

約3問。部品名と役割の組合せが多く、似た名前の機器を取り違えやすい。

★★★
安全装置・圧力容器・据付けと試験
  • 安全弁・破裂板・溶栓・高圧遮断装置
  • 材料の強さ(応力・ひずみ・許容引張応力)
  • 円筒胴の板厚と圧力・内径の関係
  • 耐圧試験・気密試験・真空試験の順序と目的

約3問。法令の技術上の基準(耐圧1.5倍・気密は許容圧力以上)と重なるので、法令と一緒に覚えると手間が減る。

★★★
運転と保守管理
  • 起動・停止の手順
  • 液戻り・冷媒不足・冷媒の過充塡の症状
  • 不凝縮ガスと水分の混入
  • 冷媒の充塡・回収、長期停止時の管理

約2問。症状と原因の組合せで問われ、原理とサイクルの分野を理解していれば解きやすい。

★★☆

よくある質問

第三種冷凍機械責任者の試験科目は?

法令、保安管理技術の2科目です。問題数は全35問、形式は五肢択一(記述の正しいものの組合せを選ぶ)、試験時間は法令60分・保安管理技術90分です。

合格基準は?

各科目60%以上が合格の条件です。

どの科目から勉強すればいい?

下の表の★は、出題範囲と出題のされ方から当サイトが独自に付けた優先度です。★3の科目から手をつけると、直前に重い科目が残りません。公式の区分ではありません。

出典:高圧ガス保安協会「令和8年度 高圧ガス製造保安責任者試験 受験案内書」高圧ガス保安協会「令和7年度 第三種冷凍機械 法令 試験問題」高圧ガス保安協会「令和7年度 第三種冷凍機械 保安管理技術 試験問題」高圧ガス保安協会「正解答、合格者番号、試験問題の公表」