第三種冷凍機械責任者/法令

技術上の基準(定置式製造設備・製造の方法・認定指定設備)

冷凍保安規則第7条の定置式製造設備の基準(警戒標・滞留しない構造・気密試験と耐圧試験・安全装置・液面計・漏えい検知警報・除害・耐震)、第9条の製造の方法の基準、第二種製造者と認定指定設備の基準の違いをまとめます。

定置式製造設備には、どんな基準がある?

第一種製造者の定置式製造設備の基準は、冷凍保安規則第7条第1項の第1号から第17号(第9号の2を含む)にまとまっています。場所・構造・試験・計器・安全装置・漏えい対策の順に並んでいます。令和7年度の試験では、法令20問のうち6問がこの分野(定置式製造設備・製造の方法・認定指定設備)から出ました。

圧縮機・油分離器・凝縮器・受液器とその間の配管は、引火性・発火性の物をたい積した場所や火気の付近に置きません(第1号)。製造施設には外部から見やすいように警戒標を掲げます(第2号)。製造設備は振動・衝撃・腐食で冷媒ガスが漏れないものにします(第4号)。冷媒設備には圧力計を設けます(第7号)。

製造施設警戒標外から見やすく機械室圧縮機油分離器受液器膨張弁蒸発器圧力計安全弁止め弁放出管液面計耐震耐震・流出防止!漏えい検知警報設備水色の線と機器=冷媒設備(冷媒ガスが通る部分)。圧力計は冷媒設備に設ける警戒標製造施設の外部から見やすいように掲げる(第2号)耐震縦置円筒形で胴長5m以上の凝縮器、内容積5,000L以上の受液器など(第5号)安全弁放出管を付ける(不活性ガスの冷媒設備などは不要)。止め弁は常に全開液面計可燃性ガス・毒性ガスの受液器に丸形ガラス管液面計は使わない(第10号)流出防止毒性ガスの受液器で内容積10,000L以上のもの(第13号)機械室可燃性・毒性・特定不活性ガスは滞留しない構造と漏えい検知警報設備
冷凍設備の系統と、機器ごとの技術上の基準(冷凍保安規則第7条・第9条)
耐震設計(第5号)縦置円筒形で胴長5m以上の凝縮器、内容積5,000L以上の受液器、所定の配管と、それらの支持構造物・基礎
流出防止(第13号)毒性ガスの受液器で内容積10,000L以上のものの周囲
消火設備(第12号)可燃性ガスの製造施設に、規模に応じて設ける
防爆性能(第14号)可燃性ガスの電気設備。アンモニアは除く

気密試験と耐圧試験は、どれだけの圧力で行う?

気密試験は許容圧力以上、耐圧試験は許容圧力の1.5倍以上です(第7条第1項第6号)。耐圧試験は配管以外の部分について、水などの安全な液体で行います。

液体を使うのが難しいときは、空気や窒素などの気体を使い、許容圧力の1.25倍以上で耐圧試験を行います。気体は圧縮されてエネルギーをためるので、液体より低い倍率になっています。試験方法や設備から適切と経済産業大臣が認めた冷媒設備の製造者が行う耐圧試験に合格する方法もあります。2022年10月1日施行の改正で、それまでの「大臣が認めた高圧ガス保安協会の試験」と入れ替わりました。

漏えいに備える基準は、どのガスに必要?

可燃性ガス・毒性ガス・特定不活性ガスの三つです。圧縮機や受液器などを置く室は、冷媒ガスが漏えいしたとき滞留しない構造にします(第3号)。製造施設には、ガスが滞留するおそれのある場所に漏えいを検知して警報する設備を設けます(第15号)。

毒性ガスの製造設備には、漏えいしたガスを安全に速やかに除害する措置も要ります(第16号)。吸収式アンモニア冷凍機(屋外設置でアンモニア充塡量1台25kg以下などの要件を満たすもの)は、検知警報設備と除害措置の基準から外れます。特定不活性ガスに当たらない不活性のフルオロカーボンや二酸化炭素の設備には、この三つの基準は求められません。

安全装置・放出管・液面計の決まりは?

冷媒設備には、圧力が許容圧力を超えたら直ちに許容圧力以下に戻す安全装置を設けます(第8号)。安全弁と破裂板には放出管を付け、開口部は冷媒ガスの性質に応じた適切な位置にします(第9号)。不活性ガスの冷媒設備、大気に冷媒ガスを放出しないもの、吸収式アンモニア冷凍機は放出管が要りません。

可燃性ガス・毒性ガスの受液器には、丸形ガラス管液面計を使いません(第10号)。ガラス管液面計を付けるなら破損を防ぐ措置をし、可燃性ガス・毒性ガスの受液器では接続配管にも漏えい防止の措置をします(第11号)。バルブやコックには、作業員が適切に操作できる措置をします(第17号)。

製造の方法の基準では、何を守る?

安全弁に付けた止め弁は常に全開にしておきます(第9条第1号)。閉めてよいのは安全弁の修理や清掃のときだけです。止め弁が閉まっていると、圧力が上がっても安全弁が働きません。

製造は、ガスの種類と設備の態様に応じて製造施設の異常の有無を点検し、異常があれば補修などの措置を講じて行います(第2号)。改正前の第2号は「1日に1回以上」点検すると定めていましたが、2025年4月18日施行の改正でこの回数の定めが削られました。令和8年度の試験は2026年4月1日時点の法令で出題されるので、改正後の条文で覚えます。

修理や清掃は、作業計画と責任者を決め、責任者の監視の下か異常時に通報できる体制で行います。開放する部分には他の部分からガスが漏れない措置をし、終わったら正常に作動することを確かめてから製造します(第3号)。バルブは過大な力を加えないように操作します(第4号)。

第二種製造者や認定指定設備では、何が違う?

第二種製造者の定置式製造設備には、第7条第1項のうち耐震(第5号)、圧力計(第7号)、毒性ガスの受液器の流出防止(第13号)を除く基準が適用されます(第12条第1項)。製造の方法では、工事完成後に酸素以外のガスでの試運転か許容圧力以上の気密試験を行ってから製造し、第9条第1号から第4号にも従います(第14条)。

認定指定設備は、工場で一つの架台上に組み立て、試運転をして、分割せずに搬入するユニットです(第57条)。受液器は5,000L未満、縦置円筒形の凝縮器は胴長5m未満で、破裂板は原則として使わず、日常の運転操作に必要な止め弁は手動式にしません。変更の工事や移設をすると、原則として指定設備認定証が無効になります(第62条)。

職場ではどう使う?

日常点検で最初に見るのは安全弁の元の止め弁です。修理のために閉めた止め弁を開け忘れると、第9条第1号の違反になるだけでなく、異常高圧のときに安全弁が働かなくなります。作業後の確認表に止め弁の開閉状態の欄を設けておく現場もあります。

アンモニア冷凍機の機械室では、漏えい検知警報設備の警報試験と除害設備の作動確認を定期自主検査の項目に入れます。フルオロカーボンの設備に入れ替える場合でも、特定不活性ガスを使うなら検知警報設備と滞留しない構造は外せません。

試験ではどう問われる?

数字の入れ替えが多い分野です。気密試験と耐圧試験の倍率、耐震の5m・5,000L、流出防止の10,000Lがよく替えられます。対象ガスの入れ替えでは、特定不活性ガスを検知警報設備の対象外とする記述、アンモニアに防爆性能が要るとする記述、不活性ガスの設備に放出管が要るとする記述が典型的な誤りです。

製造の方法では、止め弁を「常に閉止」とする記述、修理後の確認をせずに製造するとする記述が出ます。2025年の改正前の点検回数をそのまま書いた記述にも注意します。

よくある質問

冷媒設備の耐圧試験は許容圧力の何倍?

液体で行う場合は許容圧力の1.5倍以上、液体が使えず空気や窒素などの気体で行う場合は1.25倍以上です。気密試験は許容圧力以上で行います(冷凍保安規則第7条第1項第6号)。

安全弁の止め弁は開けておく?閉めておく?

常に全開にしておきます。閉めてよいのは安全弁の修理や清掃のため必要なときだけです(冷凍保安規則第9条第1号)。

漏えい検知警報設備が必要なのはどの冷媒?

可燃性ガス・毒性ガス・特定不活性ガスの製造施設です。所定の要件を満たす吸収式アンモニア冷凍機は除かれます(冷凍保安規則第7条第1項第15号)。

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は高圧ガス保安協会の公式情報で確認してください。