第三種冷凍機械責任者/保安管理技術

凝縮器・冷却塔・蒸発器と除霜

空冷・水冷・蒸発式の凝縮器と冷却塔、凝縮圧力が上がる原因、乾式・満液式・冷媒液強制循環式の蒸発器、霜の影響と除霜の方法を、伝熱面積の例題つきでまとめます。

凝縮器にはどんな方式がある?

凝縮器は、圧縮機から出た高温・高圧の冷媒蒸気から熱を取り去って液にする熱交換器です。熱を捨てる相手によって、空冷式・水冷式・蒸発式に分かれます。

空冷凝縮器は外気に熱を捨てる方式で、冷却水が要らない代わりに、空気側の熱伝達率が小さいので管の外側にフィンを付けて伝熱面積を広げます。水冷のシェルアンドチューブ凝縮器は、胴(シェル)の中に冷却管を並べ、冷却水を管の中に、冷媒を胴の側に流します。胴の下部に凝縮した液をためて受液器を兼ねるものもあり、フルオロカーボン用には管の外側に低いフィンを付けたローフィンチューブが使われます。

蒸発式凝縮器は、冷却管の外面に水を散布し、そこへ送風して水を蒸発させ、その蒸発潜熱で冷媒を冷やします。水冷式に比べて冷却水の消費量が少なくて済みますが、性能は外気の湿球温度に左右され、湿球温度が高いと凝縮温度も上がります。

① 空冷凝縮器蒸気ファン空気 →フィン(管の外側)外気に熱を捨てる。空気側の熱伝達率が小さいので、フィンで伝熱面積を広げる② シェルアンドチューブ凝縮器冷却水冷却水冷媒蒸気冷媒液凝縮した液冷却管冷却水=管の中 冷媒=胴の側胴の下部に凝縮した液がたまる③ 蒸発式凝縮器水槽湿った空気散水蒸気送風ポンプ管に水をかけ、蒸発潜熱で冷媒を冷やす性能は外気の湿球温度に左右される④ 冷却塔充塡材凝縮器から37℃凝縮器へ32℃補給水外気クーリングレンジ=37−32=5Kアプローチ=32−27(外気の湿球温度)=5K
凝縮器の3方式と冷却塔。冷却塔の出口水温は外気の湿球温度より下がらない

凝縮器で捨てる熱はどれくらい?

凝縮器で冷媒から取り去る熱量を凝縮負荷といい、蒸発器で取り入れた熱に、圧縮機で冷媒に加えた仕事を足したものにほぼ等しくなります。成績係数が小さい装置ほど、同じ冷凍能力でも凝縮器で捨てる熱は大きくなります。

凝縮器の伝熱量は、熱通過率×伝熱面積×冷媒と冷却水(空気)の平均温度差で決まります。平均温度差を小さくして凝縮温度を低く抑えようとすると、そのぶん大きな伝熱面積が必要になります。

例題:凝縮負荷と必要な伝熱面積を求める

冷凍能力25kW、圧縮機で冷媒に加わる動力7kWの装置。凝縮器の熱通過率を0.80kW/(m²·K)、冷媒と冷却水の平均温度差を5Kとする(数値は説明用に作ったもの)。

  1. ① 凝縮負荷 25+7=32kW
  2. ② 必要な伝熱面積 32÷(0.80×5)=8.0m² Φ=K×A×Δtm を A について解く

答え:凝縮負荷32kW、必要な伝熱面積8.0m²

よくある間違い:平均温度差を4Kにすると 32÷(0.80×4)=10m² が必要になる。温度差を小さくするほど面積が要る。

凝縮圧力が上がるのはどんなとき?

凝縮圧力が上がると、圧縮比が大きくなって動力が増え、成績係数が下がります。原因は、熱を捨てる力が落ちたか、凝縮器に余計なものがたまったかのどちらかです。

冷却管の水あかや空冷凝縮器のフィンの汚れは、熱通過率を下げます。冷却水量が減ったり冷却水温度が上がったりしても、凝縮温度は上がります。冷却水量を減らすと、冷却水の出入口の温度差は大きくなります。

空気などの不凝縮ガスが凝縮器にたまると、その分圧の分だけ凝縮器の圧力が上がります。冷媒を入れすぎると凝縮器の中に液がたまり、冷媒の凝縮に使える伝熱面積が減って凝縮圧力が上がります。

冷却塔の出口水温はどこまで下がる?

冷却塔は、凝縮器から戻った冷却水を空気と接触させ、一部を蒸発させてその潜熱で残りの水を冷やす装置です。冷やされた水は再び凝縮器へ送られます。

水の蒸発で冷やすので、出口の水温は外気の湿球温度より下げられません。冷却塔の入口と出口の水温差をクーリングレンジ、出口水温と外気の湿球温度の差をアプローチといいます。蒸発で水が減るので補給水が要り、水に溶けた成分が濃くなりすぎないように一部を入れ替えます。

クーリングレンジ冷却塔の入口水温−出口水温。入口37℃・出口32℃なら5K
アプローチ冷却塔の出口水温−外気の湿球温度。出口32℃・湿球27℃なら5K

乾式・満液式・冷媒液強制循環式の蒸発器はどう違う?

蒸発器は、冷媒の供給のしかたで乾式・満液式・冷媒液強制循環式に分かれます。

乾式蒸発器は、膨張弁を出た冷媒が管の中を流れる間に蒸発しきり、出口ではわずかに過熱した蒸気になる方式です。温度自動膨張弁で過熱度を調節し、管の数が多いときはディストリビュータで冷媒を分配します。出口に過熱した部分がある分、伝熱面の一部は熱伝達の悪い蒸気で占められます。

満液式蒸発器は、胴の中の冷媒液に伝熱管が浸かっていて、伝熱面が液でぬれているので熱伝達がよい方式です。そのかわり冷媒の充塡量が多く、冷媒に混じった油が胴の中にたまりやすいので、油を戻す工夫が要ります。冷媒液強制循環式は、液ポンプで蒸発量より多い冷媒液を蒸発器に送る方式で、規模の大きな冷凍設備で使われます。

① 乾式感温筒温度自動膨張弁ディストリビュータ湿り蒸気過熱蒸気冷媒充塡量:少ない出口近くは過熱蒸気で熱伝達が悪い過熱度を膨張弁で調節② 満液式液面伝熱管蒸気→圧縮機液面を保つ弁冷媒充塡量:多い伝熱面が液でぬれていて熱伝達がよい油がたまりやすい③ 冷媒液強制循環式低圧受液器液と蒸気蒸気→圧縮機蒸発器液ポンプ液ポンプで蒸発量より多い冷媒液を送る規模の大きな設備で使う
蒸発器の3方式。乾式は出口が過熱蒸気、満液式は伝熱管が液に浸かる

霜はどう取る?

空気冷却器の表面温度が0℃より低いと、空気中の水分が霜になって付きます。霜は熱を通しにくく、空気の通り道もふさぐので、熱通過率と風量が下がり、蒸発圧力と冷凍能力が落ちます。蒸発温度と庫内空気の温度差を大きくとりすぎると着霜が増え、庫内も乾燥しやすくなります。

除霜には、圧縮機から出た高温の冷媒ガスを冷却器に送るホットガス除霜、冷却器に水をかける散水除霜、冷却器に付けた電気ヒータで温める方法、冷媒の供給を止めて庫内の空気で溶かすオフサイクル除霜があります。オフサイクル除霜は庫内の空気が0℃より高くないと使えません。散水除霜では、除霜水が排水管の中で凍らないように、排水管の防熱や勾配に注意します。

職場ではどう使う?

食品工場の冷蔵室では、ユニットクーラの霜の付き方を見て、除霜の間隔と時間を季節ごとに調整します。扉の開け閉めが多い夏場は湿った空気が入って霜が早く付くので、除霜の回数を増やさないと庫内温度が上がってきます。

水冷式の冷凍機を持つビルでは、冷却塔の水質管理と凝縮器の冷却管の清掃が、年間の保守計画の柱になります。凝縮圧力が前年の同じ時期より高く出ていれば、水あかの付着を疑って冷却管のブラシ洗浄を手配します。

試験ではどう問われる?

凝縮器・蒸発器の問題は、方式ごとの特徴の入れ替えと、凝縮圧力が上がる原因の正誤が中心です。シェルアンドチューブ凝縮器で冷媒と冷却水の流れる側を逆にする、蒸発式凝縮器の性能が湿球温度に左右されないとする、冷却塔の出口水温が湿球温度より下がるとする、といった型があります。

蒸発器では、満液式の冷媒充塡量を「少ない」とする記述、霜の影響を小さく書く記述、オフサイクル除霜を冷凍庫向けとする記述に注意します。不凝縮ガスや過充塡のように凝縮圧力を上げる原因を「影響しない」とする誤りもよく作られます。

よくある質問

蒸発式凝縮器と冷却塔はどう違う?

どちらも水の蒸発潜熱で熱を捨てます。蒸発式凝縮器は冷媒の通る管に直接水をかけて冷媒を凝縮させ、冷却塔は水冷凝縮器から戻った冷却水を冷やします。

凝縮器に不凝縮ガスがたまるとどうなる?

凝縮器の圧力が不凝縮ガスの分圧の分だけ高くなり、圧縮機の動力が増えて成績係数が下がります。吐出しガス温度も上がります。

満液式蒸発器が乾式より熱の伝わりがよいのはなぜ?

伝熱管が冷媒液に浸かっていて、伝熱面のほとんどが液でぬれているからです。乾式は出口近くが過熱した蒸気になり、その部分の熱伝達が悪くなります。

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は高圧ガス保安協会の公式情報で確認してください。