第三種冷凍機械責任者/法令

高圧ガスの貯蔵・移動・容器(刻印と表示)

容器による高圧ガスの貯蔵の基準、車両で運ぶときの基準、容器の刻印と表示(塗色・「燃」「毒」・所有者の氏名等)、充塡とくず化の決まりを、一般高圧ガス保安規則と容器保安規則に沿ってまとめます。

容器で高圧ガスを貯蔵するときは、何を守る?

冷凍保安規則の貯蔵の基準(第20条)は冷凍設備の転落・転倒を防ぐ措置(第27条第2号)だけで、容器による貯蔵や車両での移動の基準は置かれていません。そのため容器による貯蔵は、一般高圧ガス保安規則第18条第2号の基準で問われます。中心は同規則第6条第2項第8号の容器置場の基準で、充塡容器等は常に40℃以下に保つことが最もよく問われます。

充塡容器と残ガス容器は区分して容器置場に置きます。可燃性ガス・毒性ガス・特定不活性ガス・酸素の充塡容器等も、それぞれ区分して置きます。容器置場には計量器など作業に必要な物以外を置きません。可燃性ガス・毒性ガスの容器での貯蔵は通風の良い場所で行います。

特定不活性ガスには例外があります。第一種貯蔵所・第二種貯蔵所以外の場所で充塡容器等により特定不活性ガスを貯蔵するときは、ガスの種類ごとに区分して置く基準と、周囲2m以内の火気禁止の基準は求められません(第18条第2号ロただし書)。

周囲2m以内の火気禁止不活性ガス(特定不活性ガスを除く)と空気の容器置場は対象外。有効に遮る措置を講じれば例外あり
転落・転倒の防止内容積5リットル以下の容器は対象外。粗暴な取扱いもしない
可燃性ガスの容器置場携帯電燈以外の燈火を携えて立ち入らない
車両での貯蔵車両に固定・積載した容器で貯蔵しない(許可・届出どおりの場合などを除く)

どれだけの量から貯蔵の基準がかかる?

容積0.15m³を超える高圧ガスから基準がかかります。法第15条第1項ただし書と一般高圧ガス保安規則第19条により、0.15m³以下の貯蔵は技術上の基準の対象外です。液化ガスは10kgを1m³とみなすので、液化フルオロカーボン1.5kgが0.15m³に当たります。

量が300m³以上になると、第一種貯蔵所(許可)か第二種貯蔵所(届出)で貯蔵します(法第16条・第17条の2)。ただし、第一種製造者が許可を受けたところに従って貯蔵する場合は、この貯蔵所の規定の対象外です。

車両で高圧ガスを運ぶときは、何を守る?

充塡容器等を車両に積んで運ぶときは、一般高圧ガス保安規則第50条の基準に従います。車両の見やすい箇所に警戒標を掲げ、充塡容器等を常に40℃以下に保ち、5リットルを超える容器には転落・転倒とバルブの損傷を防ぐ措置をします。

可燃性ガスと酸素の容器を同じ車両に積むときはバルブを向き合わせません。塩素の容器とアセチレン・アンモニア・水素の容器は同じ車両に積めません。毒性ガスの容器には木枠かパッキンを施し、防毒マスクなどの保護具と応急措置の資材・薬剤・工具を携行します。

可燃性ガス・毒性ガス・特定不活性ガス・酸素を運ぶときは、名称・性状・注意事項を書いた書面を運転者に渡して携帯させます。液化の可燃性ガス3,000kg以上、毒性ガス1,000kg以上などの大量の移動では、化学・機械の免状を持つ人か協会の講習の検定合格者を移動監視者にします。冷凍機械の免状はこの資格に入りません。

小さな容器だけを運ぶときの例外もあります。内容積25リットル以下の充塡容器等(毒性ガスを除く)だけを積み、その合計が50リットル以下なら、警戒標や消火設備の携行は求められません(同条第1項第1号・第9号)。

容器の刻印には、何がどの順で打たれる?

容器検査に合格した容器には、容器保安規則第8条の事項がその順序で刻印されます。検査実施者の名称の符号、容器製造業者の名称または符号、充塡すべき高圧ガスの種類、容器の記号と番号、内容積、質量、容器検査に合格した年月、耐圧試験圧力の順です。

内容積はV(リットル)、質量はW(キログラム)、耐圧試験における圧力はTP(MPa)で表します。Wは取り外しのできる附属品を含まない質量です。圧縮ガスを充塡する容器などには最高充塡圧力FP(MPa)も刻印します。

肩部に刻印刻印は次の順に打つ(容器保安規則第8条)値は架空の例△△検査実施者の名称の符号○○容器製造業者の名称または符号ガス名充塡すべき高圧ガスの種類AB1234容器の記号・番号V 47.0内容積(L)W 52.3質量(kg)取り外しのできる附属品を含まない○年○月容器検査に合格した年月TP 3.0耐圧試験における圧力(MPa)FP最高充塡圧力(MPa)圧縮ガスを充塡する容器などに刻印TP(耐圧試験)とFP(最高充塡圧力)、Wに附属品を含むかが問われる
容器の刻印の並び。内容積V・質量W・耐圧試験圧力TP・最高充塡圧力FPの記号

容器の表示と塗色はどう決まっている?

容器の所有者は、刻印等がされたときに、容器保安規則第10条の方式で表示をします(法第46条)。塗色は容器の表面積の2分の1以上に行います。酸素は黒、水素は赤、液化炭酸ガスは緑、液化アンモニアは白、液化塩素は黄、アセチレンはかっ色、その他のガスはねずみ色です。

外面にはガスの名称と、可燃性ガスなら「燃」、毒性ガスなら「毒」の文字を明示します。アンモニアは両方です。所有者の氏名または名称、住所、電話番号も明示し、変わったら遅滞なく表示を直します。

酸素水素液化炭酸ガス液化アンモニア液化塩素アセチレンかっ色その他のガスねずみ色容器の外面に表示すること(容器保安規則第10条)塗色表面積の2分の1以上ガスの名称外面に明示可燃性ガスは「燃」毒性ガスは「毒」(アンモニアは両方)所有者の氏名または名称住所・電話番号フルオロカーボンなど多くの冷媒は「その他のガス」でねずみ色。ねずみ色の塗色は、着色していないアルミニウム製・ステンレス鋼製の容器には求められない
容器の塗色と表示。アンモニアは白で「燃」「毒」の両方、塩素は黄で「毒」

容器に充塡するとき、廃棄するときの決まりは?

刻印等と表示があり、バルブを装置した容器でなければ高圧ガスを充塡できません(法第48条第1項)。液化ガスは刻印等の内容積に応じて計算した質量以下、圧縮ガスは刻印等の圧力以下で充塡します。再検査の期間を過ぎた容器は、容器再検査に合格してから充塡します。

容器を廃棄する者は、くず化などで容器として使えないように処分します(法第56条第6項)。容器再検査に合格せず、3か月以内に刻印等がされなかった容器も、所有者が遅滞なくくず化します(同条第3項)。

職場ではどう使う?

冷媒の補充用ボンベを機械室の片隅に置いている現場は多いですが、夏場の直射日光が当たる場所では40℃を超えるおそれがあります。フルオロカーボンの10kg容器を数本置くなら、日陰で風通しの良い場所に、使用中の容器と空の容器を分けて並べ、倒れないようにチェーンで固定します。

サービスカーで冷媒容器を運ぶときは、容器の本数と内容積で警戒標や消火設備の要否が変わります。アンモニア冷凍機の現場へ容器を持ち込むなら、書面の携帯と保護具の携行も要ります。

試験ではどう問われる?

貯蔵では40℃の数字、2m以内の火気禁止の対象外になるガス、5リットル以下の例外の三つが入れ替えの定番です。移動では、可燃性ガスと酸素のバルブの向き、消火設備や書面の携帯の要否が問われます。

容器では、Wが附属品を含むかどうか、TPとFPの取り違え、塗色の色(アンモニアの白と塩素の黄、炭酸ガスの緑と酸素の黒)、「燃」「毒」の付け方がよく出ます。

よくある質問

冷媒ボンベは何度以下で保管する?

充塡容器等は常に40℃以下に保ちます(一般高圧ガス保安規則第6条第2項第8号ホ)。車両で運ぶときも同じく40℃以下です。

容器の刻印のWには附属品の質量が入る?

入りません。Wは取り外しのできる附属品を含まない容器の質量です(容器保安規則第8条第1項第7号)。

液化アンモニアの容器は何色?

白色です。表面積の2分の1以上に塗り、「燃」と「毒」の両方の文字を表示します。黄色は液化塩素の色です。

読んだあとにやること

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、過去の試験問題の本文・選択肢・数値は使用していません。 最新の法令と試験の内容は高圧ガス保安協会の公式情報で確認してください。